「ひっ、く…んぁあー蛮ちゃぁあん…v」
そう言って、腰回りに抱きついてくる銀次。
…夜にそういうことをして平気だと思ってるのか…?コイツは…。
「おい、銀次…!」
やばい、やばいぞその顔の位置は…!!
それじゃぁホントにフェラさせてるようなもん…!!
「ちょ、銀次…?…なんかお前、酒くさくね?酔ってんのか?」
抱きついてきた銀次から香る、酒の匂い。しかも結構キツい…。
「酔ってなんかないよぉ…」
と本人は言っているが、俺を上目使いで見つめてくる瞳はうるみ、頬は赤くなっている。
…やばい。我慢、できないカモ…
「…ぎーんじ…なに、お前も今日はシたい気分なのかよ?」
「……」
…え。無言?それって肯定されちゃったってことで受け取っていいのか、これは。
「銀次?黙ってんなら勝手にヤっちまうぞ?」
「ん…いぃ、よぉ…シて…?」
………………
ぶほぉっっ!!!
車の中に広がる血。
どうやら俺の鼻から出たものらしい。
ぼたぼたと滴り、止まる気配の無い血。
「蛮ちゃん…?どったの…??気分、悪い…?」
そうやって俺を心配してくれている銀次さえ、俺を誘っているように見えてくる。
…恐るべしアルコール。
「銀次…」
そっと、銀次の頬に手を伸ばす。
「蛮ちゃん…」
そのまま、吸い込まれるように顔を近づける。
…重なり合う、二人の唇。
初めは啄ばむような可愛いキス。
だんだんと深くなり、水音が響いてくる。
――っちゅ、くちゅ…
「ふっ…ん、ぁ…は、んぅ…」
次第に、漏れてくる銀次の声。
苦しげに眉を寄せているが、嫌悪からではない。
――ぴちゃっ…
蛮は、離れる間際に銀次の下唇を強めに吸った。
「んんっ…蛮、ちゃ…」
さすがの銀次もここまでくれば抵抗などしないだろう、と思っていた。
そして、流れでシャツの中へと手を滑らせた瞬間…
バリバリバリっ!!!!
「うをっ!!いっ…てぇッ!!てめっ、何すんだ!!」
いきなり、銀次が雷を飛ばしてきた。
いい雰囲気で、蛮としてはこのままイイコトになだれこみたかった。
が、急に雷を飛ばされたのだ。
ふっと銀次を見れば、顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。
「銀次…てめぇ、あの雰囲気で普通電撃トばすか…?」
ちょっと頭にきた…。男同士ったって、仮にも恋人だぞ?俺は。
なのに、恋人に電撃をトばすやつがあるか。
「なっ…!気がついたら蛮ちゃんがっ、その…変なコトしてるからじゃんっ!!」
「はぁ?」
お前、さっきシて?って言ってたよな?
どうも話が噛みあわない。
…もしかして…
「銀次、お前自分が酒飲んでて酔っぱらってたの覚えてっか?」
もしや、と思い聞いてみる。
すると、案の定。
「お酒ぇ?そんなもん飲んでないよぉっ!」
と返してくる。
だが、アレは完全に酔っていた。
酒の匂いをプンプンさせていた。
「…やっぱオメェ、覚えてねぇんだな…」
「へ…?…あ…」
思い出した。
オレ、さっきまでHTにいて…
で、夏実ちゃんとレナちゃんとワイワイやってたら夏実ちゃんが間違えてお酒持ってきちゃったんだぁ…
で、気づかないでぐびぐび飲んじゃって…
「ば、蛮ちゃん…思い出しました…」
と恐る恐る言い、思い出した記憶を全て話した。
オレは、お酒を飲んだことを怒られると思っていたのに、…蛮ちゃんは、なんだか一人でぶつくさ言っていた。
よく聞こえなかったけど、…その顔を他のやつにも見せたのか、とか、他の奴にも抱きついたのか、とか…。
オレにはよくわからないのです…。
やっぱな…なんかおかしいと思ったんだよ。
…大体、銀次のやつから誘ってくるわけないし。
誘ってくれればいつでものるのによ。
カナシイかな、銀次から誘うことは全くと言っていいほどない。
まぁ、誘われなくてもヤっちゃうんだけど。
…しかし、なぜあんなイイ所で酒の酔いが醒めるのか…。
確信犯か?わざとなのか?
でも、俺の体の熱が冷める事はない。
「…銀次、」
あ…すっごい嫌な予感がするのです…
あ、あ…
蛮ちゃんがどんどんオレの方へくる…
あああ…
両手をつかまれ、握力200kgの右手で頭上で一つにされる。
あああああ…。
もうこの姿勢をとらされてしまえば、逃げる事は不可能。
「銀次…酔ってたのかどうかは知らねェけどよぉ…
俺のでっかくなっちゃったモノはどうしてくれんですか」
どうしてって…一人でどうにかしてくださいよ…。
そう言いたいけど…。
どうやら期待させてしまったのはオレのようだし…。
「ぅ…わかったよ…じゃぁ、シよ…?」
たまになら、こんなこと言ってあげてもいいのかもしれない。
「ふ…酔っても酔わなくても俺様が欲しい、ってか?」
「なっ、な…!」
「はっ、嘘だよ…ほら、早く…。あんな寸止め喰らって結構限界なんだぜ?」
…まだぶつぶつ言ってるし。
……ほんとにたまーーになら、言ってあげようか。
銀次は絶対お酒に弱いと思う…。
そんで、美堂さんを誘いまくっちゃえばいi(殴
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