…後からオレが聞いた話では、そのあとまたオレは意識を失ってしまったらしい。
気づけば、真っ白な病院の天井が見えた。
「あり…?オレ、どうしちゃったん」
ぴきっ。
瞬間、目を見開く。
「いだぁぁぁああぁぁぁああ!!!!!」
痛い痛い痛い痛い!!
めっちゃ痛い!!なに、なに、なにこれ…!!
「あ、あぁ…!蛮ちゃ…!助け…!!」
ものすごい痛みに、思わずこの場にいない蛮ちゃんの名を呼んでしまった。
呼んでから、蛮ちゃんがここにいないことに気づいて。
「蛮ちゃん…?どこ…?」
いつもオレがケガして病院にいるとき、
目が覚めるときには必ず隣で手を握ってくれている。
なのに、今日に限っていない。
…オレ、蛮ちゃんを守れなかった…?
いや、それはない。
一回意識が戻った時、蛮ちゃんは後ろでオレを支えてくれてた。
だったらなぜ、今ここにいない…?
混乱と、痛さと、状況がつかめないのがすべて混ざって、涙が出そうになる。
「蛮、ちゃ…!」
「おう?なんだ、目ェ覚めたか?よかった」
がらっ、と病室の扉が開き、ずっと会いたかった人の姿が現れる。
「…大丈夫かよ…?…ホントに、悪かった…。俺のせいで、お前ケガさせちまったな…」
それも結構な深手の。
銀次が負ったケガは、相当なものだった。
左腕と腹に当たった弾は貫通し、
右太腿に当たった弾は中で留まっている状態だった。
それに加え、肩から胸への切り傷。
その傷は、骨を断つまでの傷だった。
先生は、「生きていることが奇跡だ」と言っていた。
「蛮ちゃん…。確かオレ、車の中でも言ったよね?蛮ちゃんだから守りたいんだ、って。
だから、全然平気だよ!
だから、だから…蛮ちゃんが負い目感じる必要はないんだよ…」
…泣きそうな顔でそう言う銀次を、抱きしめられずにはいれなかった…。
お互い、お互いが大切。
だからこそ、お互いをまもりたい。
でも、その行動で傷ついたりすることもある。
…でも蛮ちゃん、それってしょーがないよね?
…でも銀次、しょーがねぇよな?
だって、蛮ちゃんのこと大好きなんだもん!
だって、銀次のことが大切だから。
お互い助け合ってこうね!
だから、
俺ら助け合ってこうな…。
さ、最後がなんだか恥ずかしい…/// 莱垣様、ありがとうございました。
Novel