兎と野獣 2

 

「ひんっ…!やだ、やだってばぁ…!」
襲いくる快感に溺れながらも、今だ抵抗をやめない。
それでもまだ行為を続ける銀次に…軽く蛮がキレた。

「っせーな…。そんなエロい兎になりやがったのはお前だろ…?責任、とれってんだ…」
いつもより低い声で唸りながら、銀次の上へ押しかかるようにして銀次の首筋へ唇を寄せる。

――そして。
「っあ…!や、いたいよ…!」
部屋に響く、銀次の悲痛な声。
ぼろぼろと涙をこぼしながら、上へのっかる蛮の身体を押しのけようとする。

「ひ、や…!やだぁ…!」
…銀次の首筋に食い込む、蛮の歯。
突き刺さるたびに痛みは増して…。

「っ…!!い、ぅあ…!」
皮膚が破れて…すごく嫌な音がしたあと、どくどくと血が流れる感覚。

「ふぇっ…ひ、っく…」
また、これよりも痛いコトをされるんじゃないか…という恐怖と、まだずきずきする痛みに、嗚咽が止まらない。

「銀次…」
「ふぁ…!ん、あぁ…!」
ちろちろと、傷口を労るように蠢く蛮の舌。
今まで痛かったのに…、疼いてくるキズ。
同時に、耳をさわさわと撫でられる感覚に悶えた。

「ゴメン…ごめんな、銀次…。痛かったよな…」
蛮が顔を上げて、銀次を真正面から見つめる。
普段の意地悪そうな表情とは一変、泣きそうな顔。

「…でも、ガマン…できない…」
その表情に少なからず動揺した銀次は、蛮の動きに一瞬遅れ。

ぐっ…と押し入ってきたニンジンに…抗えなかった。

「っ、ひ、ぁああ!きゃ…ふ!」
――冷たくて、なんの温もりもないモノ。
銀次は蛮のモノ以外、受け入れたコトなんてないから。
ナカを犯す固いモノに、怯えを隠すことができなかった。

「や…!やだ、蛮ちゃん…!こわ、い…よぉ…!」
最初は、本当にただただ怖いだけだった。
蛮ちゃん以外のモノに、ナカに入られるのが。

…だけど、時間が経つにつれて…

この状況に、興奮してきてる自分がいた。
もちろん、まだ怖くないわけじゃないけど。

入ってるモノは違うけど、入れてるのは蛮ちゃんだし。
何かあったとしても、蛮ちゃんがいるから大丈夫。

そう思うと…こんな恥ずかしいコトをしている。
それが、何とも言えない気分になってくるのだ。

蛮ちゃんのコトを「変態さん」とか、「エロ人間」とか、「万年発情期」とか言うけど…。
それはむしろ、オレの方かもしれない…。

「ふぅっ…ひぅ、あ…!」
それを自覚した途端、自分でもわかるくらいにソレを締め付けてしまった。

「お前…勃ってんぞ?」
「っ…!!」
…前、触られてもないのに。
どんどん天を向く自身。
そのコトを蛮ちゃんに知られちゃったことが、また恥ずかしくて…。

「あぁあんっつ!や、深いぃ…!!」
ぐちゅ、とナカを抉るニンジン。
蛮ちゃんのモノほどではないけど…結構太くて、ナカがキツキツ。

「すっげ…音、聞こえるか?」
「え…?」
蛮ちゃんに言われるまで、気づかなかったけど。
頑張って、勝手に出てしまう変な声を抑えると。

――ぐちゅぐちゅっ…!くちゅ、ぴちゃ…
「っ、やだぁあ!」
ニンジンが動かされるたびに、ソコから溢れる水音。

これが自分のソコから出ている音だと思うと…どうしようもない羞恥が押し寄せてくる。

――ず…プ…!
「やぁあああ!イ、っちゃ…!だめぇええ…」
動かさないで、とストップをかける銀次。
だけど、それで大人しくなる蛮ではない。
最後に、一際強くナカを暴れたあと…、ニンジンを引き抜いた。

ナカからニンジンがなくなると同時に、再び吐き出される銀次の精液。

「ぁっ…あ…蛮、ちゃ…!」
まだ息もつかないうちに、また後ろに触れる熱いモノ。

「ひぁぁぁ!んっ、ふぇっ…!」
ぐぐっ…と、ナカに押し入ってくる熱くて、大きいモノ。
さっきとは違う、温もりのあるもの。

キツい圧迫感を感じながらも、早く、早くちょうだい、って思ってしまう自分。
この痛みを越えれば…蛮ちゃんはすごく気持ち良くしてくれる、って知ってるから…。

「んぁあっ、蛮ちゃっ…蛮ちゃぁん!」
快感に意識を攫われるのが怖くて、何度も何度も彼の名前を呼ぶ。
そのたびに蛮は、銀次の目尻から零れる涙をぬぐってやる。
そうすると、銀次は嬉しそうに微笑むのだ。

「っ…ちゃんと、掴まってろよ…」
銀次の両腕を縛っていたベルトをほどき、自分の背中へと回させる。

「…ちょいとキツいぞ」
「え…?……やぁぁあん!!待っ…ンぅう!」

何が?と思った瞬間。
全部入りきっていなかったモノを、いきなり突き上げてきたのだ。
同時に、耳をまたはむっと口に含んで。
舌がざらざらと撫ぜるたびに、ナカがびくびくとなるのだ。

まだ落ち着いてもいなかったのに、イイトコロをぐりぐりと刺激されて…。

「あン!だめっ…だめぇぇ!」
「何がどうダメなんだよ…?こんなにぐちゃぐちゃなクセに…」
そう言うと、先端からとろとろと蜜を零している銀次の自身に手をかけ、食んでいた耳をかりっ…と噛む。

「やぁああ!さわっちゃ…やっ、イっちゃぅ…から、ぁ!」
触られただけでイきそうな銀次のモノ。
それを、蛮は指先でスっ…と撫でた。

「イけよ…」
「ひっ、ぁ!ふぅっ…んぅっ…!!」

そして、先端を強く擦った瞬間…。
熱を解放した銀次の唇に、呼吸ごと奪うように口づけた。

「は、ぁっ…蛮、ちゃ…」
視界がブラックアウトする寸前。
銀次は、最後に蛮の名を呼んで…眠りについた。

「まったく…可愛すぎんだっつの…」
気持ちよさそうに寝息を立てる銀次の後処理をしながら、蛮は呟いた。
そこで、ふと思いついたことが一つ。

「『耳と尻尾…すっごく敏感なのよv』ってマリーアのヤツが言ってたな…」
思い出したら、即行動。

たまにぴくん…と震えている、簡単に口の中に収まってしまう程の大きさしっぽ。
それを、そっと口に含んで…。

「ん、はっ…ふ、ぁ…」
「お…やっぱイイのか…」
寝ながらも声を上げる銀次。

「これは…」
…なんでヤってる最中に思い出さなかったんだ、俺…。
よし…明日は、これを使って銀次を責めまくるコト決定。

そんな蛮の目標を知らない銀次は、まだ夢の中。


-end-

 

 

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