蛮ちゃんが、風邪をひいちゃいました。
…こんなこと言ったら怒られちゃうけど…なんだか、すっごく可愛いです。
「くっそ…なんで俺様が…」
「もー…喉痛いんでしょ…?できるだけ喋っちゃだめだよぉ…」
いつもの低くて甘い声も、風邪にやられて見事に掠れちゃって。
普段の姿が嘘みたいに、へにょーんと布団に突っ伏している。
「…ちょっと…こっちこい…」
「ん…?どったの?」
力の入ってない気の抜けた瞳で見つめられて、すこしどきっとしてしまった。
だって…なんだか、色っぽいんだもん…。
近くまで行って布団の近くに座ると、ぎゅっと手を掴まれた。
そのまま、ずるずると引き込まれて…。
「あー…、ちょうどいい…」
「んっ…蛮ちゃん…?」
一緒に布団の中に収まってしまった。
正面から抱きすくまれて、目の前には蛮ちゃんの広い胸板。
熱があるせいか、いつもより彼の身体があっつくて。
さっきから氷水でタオルを冷やしてたりしてたせいか、
ちょっと冷えていたオレの身体にはとても気持ち良かった。
「このまま…寝てもいいか…?」
上から、掠れた…それでも大好きな声が降ってきて。
それがすごく心地よくて…。
「うん…、蛮ちゃんあったかぁい…」
ぎゅっと彼の背中に手を回して。
顔を胸に押しつけるようにして甘えた。
そのたびに抱き締めてくれてる手が、あやすように背中をさすってくれて。
幸せだなー…。って思った。
「ん…、蛮ちゃん…キス、して…?」
…急に蛮ちゃんを感じたくなって。
オレが自分からこんなことを言うのはめずらしいから、蛮ちゃんはちょっとびっくりしたみたい。
そして、ふ…と優しく微笑んだ。
「だぁめ…。風邪…移っちまうだろ…?」
ちっちゃい子にするように、そっとオレの唇に指をあてて。
くしゃっ…と頭を撫でられた。
「…蛮ちゃんの風邪、移して…?はやくなおって…」
じゃないと…キスもしてくれないじゃない。
そんなの、やだから…。
今すぐキスして、オレに風邪を移してよ…。
「ばーか…。治ったらいっぱいしてやるから…」
今日はもう、ここで寝ちまえ…と。
「…いじわる…」
…蛮ちゃんが、オレのことを想って言ってくれてるのはわかってるけど。
いっつも、場所とか考えないで不意打ちでキスをしてくるのは蛮ちゃんなのに。
――オレがしたいときには、してくれないの…?
「…わぁかったって…。そのかわり、もし移っちまったら…」
――風邪とか微熱が早く治る方法って…知ってっか?
それで看病してやるから…覚悟しとけよ?
…爽やかな程の、ドSスマイルをかまして。
そのあと…熱い唇が、重なってきた。
それでもいい…なんて思ってしまったオレは、結構危ない…のかなぁ…?
アホなタイトルでごめんなさい(笑)ようするにですね、この後銀次は風邪をひいて………、あとはご想像にお任せします。←
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