トライアングル

 

 


「いッ…てぇ…!」
「蛮ちゃん…!!」
「蛮ッ!!」

卑弥呼ちゃんが悪いわけでも、蛮ちゃんが悪いわけでもない。
ただ、本当に…運が悪かっただけ。

 


「大丈夫だよ、卑弥呼ちゃん。蛮ちゃんも心配すんなって言ってたよ」
「天野…。…そう、よかった」

…いつもはオレに冷たい卑弥呼ちゃんも、今日に限っては…。
卑弥呼ちゃんは悪くない…けど。
自分のせいだって思っちゃっても仕方無い状況だった。

たまたま、お互いのお仕事中にばったり会って。
特に敵も味方もない立場だったから、軽くお喋りしてまたね、って。

そしたら…そこに、不動がきて。
不動は、卑弥呼ちゃんのやってる仕事がらみだった。
…んだけど。

蛮ちゃんの姿を確認した途端、「美堂ォォォーっ!!」って。
凄い勢いでこっちにきて…。

それだけでも厄介なのに、そこにまた赤屍さんが登場して…。
不動は蛮ちゃんを狙って、赤屍さんはオレを狙ってバトルをしていたんだけど…。

不動が少し攻撃を外して、勢い余って卑弥呼ちゃんの方へ行っちゃったんだ。
それを見て、オレが卑弥呼ちゃんの前に飛び出して――…、

そのまたオレの前に蛮ちゃんが飛び込んできた…。

そんな、最悪な流れだった。

不動は、蛮ちゃんに攻撃が当たったことにいい気になっていたところを、
「貴方のお陰で銀次クンが向こうへ行ってしまったじゃないですか…」
と怒ったらしい赤屍さんに追い返されてしまった。

まぁ…、それが不幸中の幸いっていうか…。
そのあと赤屍さんも、興味がなくなったみたいで去って行った。


「…卑弥呼ちゃん、」
「…悪かったわね…。私のミスよ」
「違うよ!」


だめだよ、卑弥呼ちゃん…。
そんな顔蛮ちゃんが見たら、蛮ちゃん心配しちゃう。


「…蛮ちゃんの病室、一緒に行こ?」
「な…」
「蛮ちゃん、卑弥呼ちゃんのこと心配してたから…」


『アイツ、バカだから私のせいだとか思ってんだろーな』


「…ね?行こ!卑弥呼ちゃん!」
「うん…」

――ほんとは、ちょっと悔しかったりするの。
蛮ちゃん、起きて一言めが卑弥呼ちゃんについてだったから…

蛮ちゃんの過去に干渉する気はないけど…。
蛮ちゃんにとって、卑弥呼ちゃんは凄く大事な存在だから。

でも、やっぱり…ちょっと悔しいなぁ。

…なんて。
考えてもしょうがないんだけどね?

待っててね、蛮ちゃん。
今蛮ちゃんのお部屋、卑弥呼ちゃんと一緒に行くから。

だって、卑弥呼ちゃんのこと元気にできるの蛮ちゃんだけなんだもん!
 

 

 

えっと…、すいません、力尽きましたorz このあと銀次は美堂さんに頭なでなでしてもらってください。←

 

 

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