猫にゃん

 

 


気付いた時には、もうここにいた。
目が醒めれば、一番に綺麗な紫紺が見えたことを覚えてる。
――その人は優しく笑って、『お前は俺のモノだ…』と言った。
俺は美堂蛮様に拾われたの。

 

「んにゃ…?」

…あったかくて、ぬくぬく。
目の前には、あのひとの広い胸。
のっけられてる腕がおもいなぁ…と思って身体をうごかすけど、
ぜんぜんどけてはくれない。

「ん…銀次…?」

ぴくんっ、と声に反応して、上をむく。
するとあのとき見たのとおんなじ、深い紫。
すっと瞳が細められて、ドキッとしてしまった。

「あぁ、腕…重いだろ」
「んにゃ?だいじょうです…」

…重かったけど、でも抱きしめててほしかったの。
それをわかってくれたのか、彼はオレをもっと引き寄せた。
オレとは違って筋肉がついててがっちりしてる彼。
オレもおっきくなったらこうなれるかな?
彼はいつも、「お前はふにふにしてるよな…」っていうから。

彼は普段はこんなやさしい感じはだしてないの。
はずかしいこといっぱいされちゃう…あれ、が終わったあとだけ。
他にもやさしくしてくれることはあるけど、
あれのあとが一番やさしくしてくれる。

彼の体温を全身でかんじられるのが嬉しくて、
むねにすりすりと顔を寄せる。

「…可愛い」
「にゃぁっ!や、蛮にゃぁんっ…!」

――蛮にゃん。
ほんとは『蛮ちゃん』っていいたいんだけど、
猫だからうまく発音できないのです…。

お布団の中でもぞもぞと蛮にゃんの手が動いて、
くすぐったいところを触っていく。
…蛮にゃんがこういうときは、その…あれ、をしたいっていうサイン。
さいきんなんとなくわかってきて、
…あ、さいしょはね、目が覚めたあのときのすぐあとにいろいろされちゃったの。
よくわからないうちにされちゃって…。
慣れるまですごくあれがやだったな…。

今は、蛮にゃんが理由を教えてくれたからこわくないよ。
あれはね、蛮にゃんがおれのことをすきだからしてくれるんだって…。
それをしってね、おれも蛮ちゃんのことすきだなぁ、って思ったの。

「…なーに考えてやがる?」
「んにゃっ!ふ、ぁっ…だめ、おきれなくなっちゃうにゃぁ…」
「いーだろ別に……。ホラ、風呂場行くぞ…」


無駄に広いこの屋敷は、寝室から浴室までの距離も無駄に長い。
その間に風邪でも引かせたら可哀想だ、と思い、
昨夜ベッドの脇に投げ捨てた自分のシャツを軽く羽織らせる。
小さい銀次にそのシャツは大きすぎて、ほとんど意味がないような気もするが。
そのまま銀次を姫抱っこで抱きあげて、浴室へと向かう。

「だめだよ蛮にゃんっ…はなしてぇ、だめぇ…!」

本人は暴れているつもりらしいが、この小さな体では
暴れられても大した抵抗にもなっていない。
しかしやはり少し鬱陶しくて、太腿を掴んで両足を広げさせる。

「ぁっ、蛮にゃぁん…!にゃだ、はずかしっ…!」

羞恥に耐えるように自分の手を口元へもっていって悶える。
大人しく感じていればいいものを、狙っているのかと思う程煽ってくる。
…本人は無意識だろうけど。

さっきと比べると抵抗は小さくなったが、それでも身体をくねらせている。
抵抗自体は可愛いものだが、…俺に逆らうというのが気に喰わない。


「そんなに嫌なら…出ていくか?」

 

「………!」

 

――やだ。
やだよ、蛮ちゃん。
ごめんなさい、いうこときくから…

おれをすてないで…!

ごめんなさい、っていいたいのに、
ぽろぽろこぼれるなみだがじゃましてしゃべれない…。

ごめんね、なにしてもいいから。
ひどいことしてもいいから、おれを蛮にゃんのそばにいさせてよ…。

「っ……、ふ、ぇ…」

――銀次は俺がすべてだから。
俺が少し『お前は必要ない』というのを感じさせることを言えば、
銀次はすぐに従順になる。

…本当に可愛い俺のペット。
単純で、純情で、素直で、…汚れたモノを知らない。染まらない。
そんな銀次が愛しくて、…壊したくなる。

 

 

とりあえず銀次を片腕に抱えたまま頭からシャワーをかぶって、
溜めておいた湯へ入る。
銀次には少し湯の温度が高いのか、湯へ触れた足がびくんっと跳ねた。
仕方ないので、滑らないように気をつけながら浴槽のふちへ銀次を座らせる。
そして俺だけ湯につかり、銀次を支えながら手で少しずつ湯をかけてやる。

「ふっ…、ん、蛮にゃ…もうだいじょぶにゃ…」
「慣れたか?」

脇に手をいれて抱きあげて、浴槽の中に座った俺の腹の上へのっける。
すると高さ的に丁度よくて、浸かるのは胸あたりまでになる。

「…!ば、蛮にゃ…」
「ん…?お前の裸見たら勃っちまった」

尻に俺のモノが当たったのか、もっと顔を赤くして泣きそうな表情をする。
繋げた時のように腰を揺らせてやれば、小さな喘ぎを零す。

「にゃっ…!蛮、にゃぁん…」
「……挿れてイイ…?」

…銀次が拒否できないことを知っていて聞く。
するりと後ろに手を回して、クッと指で押してやる。
すると湯に混じって消えていく、昨夜俺が出したモノ。
こんなに小さな身体のくせに、指なんか簡単に咥え込んでいく。

「ふにゃぁっ…!ゆび、ゆびらめぇえ…!!」
「なんで…?気持ちイイんだろ…?」

身体を支えられているから逃げる事もできない。
俺の身体の上で、俺に支えられて、俺の指に掻き回されて。
――今のコイツは、俺だけを考えている。

「っは……ずっとそうならいいんだけどよ」
「ふぇ…?あっ、んむっ…!」

…片手で銀次を引き寄せて、小さな口をふさぐ。
舌は挿しこまずに、銀次の唇の上を舐め上げて。
犬のようにぺろぺろ舐めながら、銀次のナカを暴れる。
舌の感触で銀次が喘いでいるのがわかるけど、解放してはやらない。

「ふゃ、ん…にゃ…」

だんだん銀次の身体から力が抜けてきて、
へた…とこっちに傾いてくる。
丁度いい角度になったのを見計らって指を引き抜く。

「ぁんっ!ゃ…んにゃぁああっ!!」

そして、…一気に俺のモノを突っ込んだ。
背をのけぞらせて甘い絶叫をした銀次は、もう達してしまっていた。

蛮のモノと一緒に湯が入り込んでくるのか、『あついよぉお…』と泣いて。
ふるふると小刻みに身体を震わせ、縋るように蛮の首に手を回して。
耳にかかる吐息がくすぐったい。

「にゃぁっ、んぅあ…!やらぁっ、だめぇえ!」

俺が腰を弾くのと同じタイミングで喘ぐ銀次。
手加減などせずに責めまくる。
銀次のイイ場所は、もうカラダが覚えてる…。
ソコを一気に責め立ててやれば、もっと高く上がる声。

「やあぁああ!そこだめっ、蛮にゃあ…!ぁふっ…!!」
「ダメじゃねぇだろ……イイくせに」

先端の硬いところでぐりぐりと押す。
結合部から水泡がぶくぶくと上がってくるほどの、その激しさ。
するとナカがきゅぅっ…と締まって、蛮の絶頂を促した。
銀次はカラダが小さい分、ソコも小さくて。
銀次が締めるつもりはなくても、十分キツいのだ。

「っ…銀次ィ……ドコに出して欲しい…?」
「にゃんっ、や、そんな…ことぉお…!」
「ホラ……お願いの仕方、教えただろ…?」

話している最中にも腰の動きは休めずに、
深く、深く…銀次の最奥を目指して突き入れる。
ちゃぷ…と水面が忙しく揺らめいて。


「ぁっ……ごしゅじん、さまぁ…!」

「そう……それで?」

顎をつかんで上を向かせて、無理矢理目を合わせる。
切なく眉は寄せられ、涙をぼろぼろ零して…。


「にゃか…でぇっ、そのままぁ…!」

「…了解」


銀次が叫ぶように『お願い』をした瞬間、
今まで以上に蛮の動きが荒ぶった。
指で胸の飾りを押しつぶしては、引っ張って。
ぷく…と真っ赤に熟れたのがわかると、それを口に含んだり。

「あぁぁっ、にゃぅう…!!」

――イイトコロを休みなく擦られて…。
もう、じぶんのからだじゃないみたい。
かってにびくびくしちゃうの。
すごくおっきくてあつい蛮にゃんのが、おれのなかにはいってる…。


ぐぐっ…とナカで蛮が肥大して、…狭い肉路に精をぶちまけた。
それにつられて銀次も再び達して、湯がまた白くなる。
イっている途中にも蛮は腰を動かしていて…もうだめ。

なにもかんがえられないよ……。

――そこで、銀次の意識はブラックアウトした。

 


***

 


「ん…にゃぁ…」
「…銀次?…まだ寝てていいぞ…。つかもう寝ちまえ」

銀次が目を覚ますと、もう外は暗かった。
朝起きてすぐシてしまって、銀次は結構長い間眠っていたようだ。

「んん……ばんにゃ、いっしょにねよ…?」
「…はぁ…これだから学習能力ない奴は…」

――ま、猫にそんなこと求める方が悪いわな…。
ふ、と軽く笑って、銀次を抱き上げる。
どうしたの?という顔をした銀次に、軽いキスをして。

――…ほら、一緒に寝るんだろ?

と囁いて、再びベッドへ入った…。


 

先日絵茶(といっても私は何もしていない)をしてくださった槙野さまへのお礼小説ですっ。
槙野さまのお家に飾ってある、猫銀とご主人さま蛮をイメージして書きました…!
いやぁ、美堂さん変態!!(笑)と言いたいところですが、美堂さんは仔猫のお世話をしているだけですので…v
お持ち帰りOKは槙野さまだけですよー。

 

 

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