「ねぇ…蛮、ちゃ…」
「…どうした?」
…二人同じベッドに座って、テレビを見たり…本を読んだり。
穏やかな時間を過ごしていると、銀次が弱々しく声をかけてきた。
ふと銀次を見ると、…なんだか頬が赤く染まっている。
心なしか、瞳も潤んでいるような…。
…まるで最中のような表情に、オレはドク、と心臓が鳴ったのがわかった。
「あのね…カラダ、あっつくてね…?」
「……おう」
一言ひとことを紡ぐたびに、ベッドを這ってオレに近づいてくる。
その動きが…いやに艶まかしくて。
両手を前につきながら、腰を中心に移動してくる。
「蛮ちゃんの…おっきぃの、欲しくなっちゃったの…」
「っ……、それで…?」
…危うく、動揺が表情に出てしまうところだった。
もうオレの自身は顕著に反応している。
…思えば、ここで銀次の異変に気付いておくべきだったのだ。
「お風呂、さっき入ったから…もうだいじょうぶだから…」
「…自分でシたのか?」
「ううん…してない、よ…」
――まだ濡れてるから…と。
…てっきり、自分で一度シたのかと思った。
そして、その熱がまだ冷めなくて…こんな風に誘っているのかと。
しかしそれはどうやら違うらしい。
「ねぇ…、蛮ちゃんのおっきくて熱いの…挿れて…?」
…動いた拍子に、羽織っていたシーツがずり落ちて。
今のコイツは、銀次には少しデカい、オレのシャツだけを身に纏っているから。
今までシーツでなんとか隠れていた胸元とか…首筋とか。
そういう部分が、ちらちらと見え隠れして…。
「…どこに?」
「おれの…ここ、に…ぃ…」
言葉と同時に、這っている格好のまま、腰を少し上げて。
尻の部分だけが、シーツ越しに丸みを帯びた形にでっぱった。
そして銀次は、尻にかかったシーツをそこの部分だけめくり、
…自身でその蕾に触れた。
「ココに、ね…?いっぱぁい…欲しいのぉ…」
「ッ……!」
「蛮ちゃんの、ながいの…奥まで…いれて…?」
――今までの銀次では、ありえないこの大胆さ。
上目づかいで、いつも以上の甘い声…。
そして、この行動。
これまでなら、オレから誘うだけでも…顔を真っ赤にして拒否していたくせに。
だけども、オレがそれとのギャップに興奮してしまっているのも…事実。
「…嫌っつー程…ヤってやるよ…」
***
「あぁぁあん!!んんっ、あ…!」
「イイかよ…?銀次ィ…!!」
――ぱんっ、ぐち…!
「いぃ、きもちぃのぉ…!!もっと、いっぱぁい…!!」
「ッ…、ほら、もっと銜えろよ…!」
――頼むから、これ以上煽るな…!
こっちがそう言いたくなるくらいに、銀次はエロくて。
いつもみたいに喘ぐだけじゃなくて、誘う言葉までデケェ声で言うもんだから…。
そのたびに、ナカのオレはキツく締め付けられる。
…ったく、今すぐイきそうだっての…!
「ぁんっ!ふぁああ…!!いいよぉっ、そこぉ…!!ついてっ…!」
「…言われなくても…!」
「もっと、もっとぉ!おくっ、深いとこまでぇえ…!」
「ッ!銀次、イく…!」
――マジか…!
オレの方が…先にイっちまうなんて…!
悔しがってる暇もなく…また締め付けられて。
一体なんだんだ、今日の銀次は!
…いや、エロいのも大好きだけどよ!
「あ、ぁ…!ナカぁっ…あつい、あついよぉお…!とけちゃ…う…!」
「ドロドロにしてやるよ…!」
――ドクッ…!ぴちゃ、ぐちゅ…
「あぁぁぁあん!はふっ…、ひゃうぅ…!!」
「くっ…!」
…オレがナカでイくのとほぼ同時に。
銀次も、ぴちゃぴちゃと白濁の液を飛ばしながらイった。
白いモノが、胸元辺りまで飛んで…とてつもなくエロかった。
「ぁっ…蛮ちゃん、もっと、もっとシて…?」
「なっ…」
「オレのからだっ…蛮ちゃんのせーえきで…いっぱいになっちゃうくらい…!」
「…………!!」
――ブフッ!!
……ヤベェ。
あまりのエロさに…情けない事に、鼻血が…。
…しかしありえないことに、銀次は。
「ばんちゃぁ…?ん、はぅ…ふっ…」
「ぎ、銀…!」
…ぽたぽたと、鼻を抑えたオレの手から滴るその血液までもを。
ぺろ…と舌で舐めとり始めたのだ。
必然的に、オレに組み敷かれていた銀次の顔の辺りに、
オレの血が零れていくワケで。
ぽた…と、紅い血が銀次の頬に…零れて、流れて…。
「ッ…!銀、次ィ…!」
ぐい、と手の甲で強く血を拭い、銀次の腰を掴んで思いきり打ちつける。
ナカのオレの息子はまだ猛ったまま。
「ばんちゃぁああ…!きもちぃよぉっ…!すき、だいすきぃ…!!」
「あぁッ…オレもだ、銀次…!」
その行為は、夜が明けて…銀次が気を失うまで続けられた。
***
「いやぁぁぁぁ!!やだっ、昨日のはオレなんかじゃなぃぃいい!!」
「……」
…日も天に昇り、普通の奴らなら外で行動を始めている時間帯に、銀次は目を覚ました。
そして、少しぼーっとした後…。
顔を真っ赤にして、オレは何も言ってないのに昨日のことを否定し始めた。
…きっと、全て覚えていたのだろう。
人間、嫌なことは大体覚えてるモンだ。
「わかった…わかったから…。落ち着け、な?銀次」
「う、うん…。…あのね…?昨日のお昼にね、オレ…」
ぽん、と頭を撫でてやると…涙目にもなりながら、深呼吸をする銀次。
そして、口を開いて…
――赤屍さんに会ったの…。
と言いだした。
「…は?」
「だから!昨日ね、オレ赤屍さんに会って、飴さんもらったの」
…それか。
――…昨日の銀次のエロさは、それのせいだったのか。
たぶん、それは遅効性の媚薬とかそういう類のものだったのだろう。
それなら…昨晩の銀次のエロさにも納得がいく。
「あぁ、わかったよ…。その飴のせいだったんだろ?昨晩のは」
「たぶん…。だ、だからね、蛮ちゃん!」
――お願いだから忘れてほしいのっ…!
…ギュッと強く目を瞑って、顔を真っ赤にして。
…そんな姿で頼まれたら…無理なものだって。
「…わぁったよ」
…そう返してやるしかないだろう?
その言葉と裏腹に、オレは心の中で誓った。
…昨日の銀次の痴態は一生忘れねぇ…!!
Novel
…ということで、なぜかUPせずにストックしてあった蛮銀をUP!(笑)