What is your happiness?

 


「んーっ、キモチイイ!」
「今日はいい天気だもんなぁ…」

今日はちょっとお仕事はお休みして、公園で蛮ちゃんとゴロゴロしてるのです。
すごーくお天気がよくて、太陽もぴかぴか。
オレの膝の上に蛮ちゃんが寝っ転がってて、膝まくらの状態。
蛮ちゃんの髪の毛が太ももに当たってくすぐったいけど、
それすらも今日は楽しくて。

「えへへっ、嬉しいなぁ」
「つーか、本当にいいのかよ?」
「んもぉ、いいって言ってるじゃない!」
「…お前がいいなら…いいけどよ」

 


――誕生日プレゼントは、『日常』でいい、と。

 

 

「…は?」
「んぁっ?えっとね、『いつも通り』の時間。」
「いや…だから、オレはお前の欲しいモンを…」
「ん、そうだよ?オレは、蛮ちゃんと一緒にいたい。…だから、いつも通りでいいの」

…一瞬、というか。
だいぶ意味がわからなかった。
銀次はニコニコとしているが、…『日常』が欲しい…って?

「…オレはね、蛮ちゃんが一緒にいてくれれば…それで幸せだよ」
「…銀次…」

――無意識に。
銀次の体を、引き寄せていた。
銀次もそれに逆らわず、大人しくオレの胸に抱かれ。

「だからね、お誕生日の日もこうやって、一緒にいてほしい」
「…お前、去年も確かそんなコト言ってたな…」
「えへへ。だって、ホントのことだもん」

にこ、と微笑み、猫のようにすりすりと頬をくっつけてくる。
左右に振られる頭を優しく撫でてから、思った。
…きっと、オレも同じことを思うのだろう。


…それにしても、だ。
いくら銀次が「いつも通りでいい」と言ったって、…恋人としてそれだけでは気がすまない。
何か銀次が喜ぶものをやりたいと思うし、何と言ったって銀次の笑顔が見たいのだ。
そこで、頭に浮かんだのは。


「…よし、これでいくか」

 

 


**

 

 


「蛮ちゃんってさ、意外と甘えん坊さんだよね~」
「はぁ!?テメ、何言ってやがる!!」

ぐる、と銀次の膝の上で向いている方向を変え、下から銀次を睨み付ける。
『甘えん坊』だと…!?

「だぁって。今だってさ、オレの膝に寝っ転がってるし?」
「な゛ッ…」

――…それ、は。
こうやって公園に来て、芝生に横たわる際にこういう形になるのは今では当たり前になっているが。
実際、初めてのときは蛮も狼狽した。

短いハーフパンツから伸びる脚。
…かぶりつきたい。だがさすがに…ここでは。
けれどもこの欲を抑えることは難しい。
銀次の太ももを見つめたままあー、うーと唸っていると。

「蛮ちゃん、ひざまくらしたいの?」

と無邪気な声で言われたのだ。
…んなの、こんな場所でできるか!!という冷静な判断と、
…まぁ、銀次がいいなら…ゼヒさせてください!!と実に欲望に忠実な判断。

 

「……」
「なんだ、蛮ちゃん最初っから言えばよかったのにー」

 

結果はもちろん、…膝まくら。
それからというもの、公園に来るたびにこんな風になっている。

 


「…まぁ…なんつーかよ。今日はテメェの誕生日だし、な。一個イイコト教えてやる」
「え、ナニナニ!?気になるっ!」

本当に楽しそうな笑顔。
ニコニコと笑うその表情は、太陽の明るさにも劣らない。
…むしろ蛮にとっては、太陽よりも明るく感じる。

銀次の頭を引き寄せ、耳元へ唇を寄せ…囁く。

 

――オレがこうやって甘えるのは…、世界で銀次だけだ…。

 

「…!」
「…どーだ?な、オレ様は甘えん坊なワケじゃねーんだよ」

みるみる真っ赤になる頬を片手で包み、ぷにぷにと指先で遊ぶ。

…それと。
誕生日プレゼントは、もう一つある…。

チャリ、と鳴る金属を、そっと銀次の首へとかけてやる。


「っ!つめ、た…?」
「あ、悪ィ…ビビったか?」


銀次が俯いている間に、ポケットから取り出したもの。
――それは。


「…ネックレス…?」
「…そ。それに、リングつけてみた」


…そっと、銀次が指先でふれて。
丁寧に研磨された指輪は、太陽の光を反射して美しく光っている。
…こんな綺麗で高価そうなもの…いつの間に…?

「去年も、アクセサリー系やろうと思ったんだけど…お前、バトル中とかに無くしたら大騒ぎすんだろ?
だから、去年は結局なんもしてやれなかったんだけど、さ。
…もしお前が無くしちまっても、オレがまた何度でもやればいいかな、って思ってよ」

――蛮ちゃん。
声にならない喜びは、涙となって。

「…ばん、ちゃ…!」
「おっと…。泣くのはスバルに戻ってからにしろよ?オレ以外のヤツに泣き顔見せんな」

――嬉しさに涙を浮かべる銀次の頭を優しく撫でて。
もう少しで零れてしまいそうな涙を、親指で拭った。

「う、ん…。ばんちゃ、…あり、がと…!」
「…泣くなっつってんのによ…」

そ、そんなの無理ぃ…と言いながらぐすぐすと鼻を鳴らして、ぽろぽろ涙を零す。
あーあ…ったく、オレ以外に見せんなっつってんのによ!

…と思いつつも、ここまで喜んでくれた銀次を見て。
――…やっぱ、プレゼント渡してよかった…と笑う蛮だった。

 

 

 

Novel

 

 

 


遅れに遅れ…!!
8日?遅れの銀誕です(-w-;)

実は別に一本書いていたのですが
なぜかシリアスに走り全然気に入らなくて、
新しく書き直しました(笑)

ぶっちゃけ美堂さんに膝枕をされてほしかったのです(笑)
うん、こっちの方が甘くて好き!←
基本あっまあまの「ぎんじぃvv」「ばんちゃぁあんvv」な
バカ夫婦な蛮銀が好きなので…(*´ω`*)


遅くなっちゃったけど、
銀次おめでとうー!