Lie

 

「蛮ちゃん…寒い…」

「だーかーらっ、さっきから俺らの共同作業で身体あっためよーぜっつってんのによぉ…
お前が嫌だっていうからどうしようもねぇだろ?」
「蛮ちゃんの言う共同作業って絶対ロクでもないことだもん」

狭いスバルの中で、ネチネチと言い合う二人。
蛮的には、このままイイコトになだれこみたいのだが、頑なに銀次が拒む。
…どうやら、恥ずかしいんだとか。
襲ってる方からすれば、その恥ずかしがってるところがクるんだけどなぁ…

どんなに誘っても、銀次は乗ってこない。
――こうなったら、実行するしかない。
…銀次、最後まで拒んだお前が悪いんだぜ?

蛮は銀次にぐーっと顔を近づけ、息がかかる程の距離に詰めた。
それだけでどきっとするらしく、銀次は顔を少し赤くした。
…かわいい…

「…ぎーんじ」
耳元で思いっきり甘い声で銀次の名を呼ぶ。
「っ…な、に…?蛮ちゃん…」
銀次は耳で十分感じてしまうので、これだけでも結構効いたらしい。

「お願い…シよ?」
さっきの甘い声を引きずったまま、誘う言葉を銀次へかける。
俺は滅多に『お願い』なんて言わないもんだから、銀次は耳まで真っ赤にしている。

やっべ、マジかわいい…
俺の声だけで感じちゃってるよ、コイツ…

「なぁ、寒ィんだろ…?俺も寒ィしよ。一緒にあったまろうぜ…?」
さらに、追い打ちをかける。
軽く耳たぶに歯をたて、食む。

「んっ…!や、蛮、っひゃぁっ!」
銀次がすべてを言い終わる前に、穴に舌をつっこむ。
途端車内に響く卑猥な水音。
そのまま、中でぐるりと回したり、抜き差しをする。

「んぁっ…はっ…!やだよぉっ…蛮ちゃぁん……!」
でもまだ銀次は堕ちない。
先程からヤる気満々だった俺は、もう我慢の限界。
なのに粘る銀次を前に少しだけイラッ、ときて。

「銀次…、お前イタイの好き…?」
とちょっと脅してみる。
まぁ俺的にはイタぁくすんの大好きなんだけど。
銀次の泣き顔見れるし…。
だからと言って銀次に可哀想な思いさせんのも嫌だけどな。

「…っ!やっ、嫌いっ!!嫌いだから絶対シないっっ!!」

……そうきたか。

普通ここは、
「痛いのやだよぉ…」
「じゃぁ大人しくしてな、そしたら優しくしてやる…」
「蛮ちゃぁ…」

…ってなるとこだろ?(注:妄想)
なのに何故、どうしてこうなる。

「銀次……そぉぉじゃねぇだろぉぉ!!?」
ついに我慢の限界。
周りがこれを逆ギレ言おうとも知るものか。

「大体、ここ一週間全然俺らシてねェじゃねぇか!
一人でヌいたって銀次がいないと気持ちよくねぇし!!」
あ、なんか余計なことまで俺くっちゃべっちゃったか…?

既に真っ赤だった顔を、もっと赤くしている銀次。
俺の発言が相当恥ずかしかったんだろう。
「銀次…もう俺は我慢できねぇ。
ここまで溜めこませたテメェが悪いんだからな…?」

黒いオーラを纏って、蛮ちゃんが助手席へと身体を傾けてくる。
気づけば、オレは押し倒されていたり。

「え、え、え、…ちょっ、蛮ちゃん落ち着いてっ!!
いやっ、息荒いからっ!!わかった!わかったよ、スればいいんでしょ!?
スるからっ!スるからちょっと待っ…!!
ちょ、ヤバいって蛮ちゃ…………うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

⇒2

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