たたく

 

あぁ、そのハーフパンツから出された細く長い白い足。
少しふにっとしている、薄く紅に色づいた頬。

…叩きたい。
思いっきり叩いて、俺色に染めたい。

俺の右手で遠慮なく叩いたら、どんな色になるだろうか。
紅?それとも、紅を通り過ぎて青くなるだろうか。

そう考えれば考えるほど、
…叩きたくなる。

ただ叩きたい、困らせたい、泣かせたい、と思うわけではなくて。
叩いた時の、銀次の表情が見たい。
どんな顔をするのだろう。

…大体、予想はつくが。
あの大きい瞳から涙をこぼすのだろう。

その、困ったような泣き顔が見たい。
俺の中では、銀次の泣き顔は最高に可愛い。
しかも、泣かせたのは俺、という事実がまた更に俺を興奮させる。

その顔を想像するだけで、俺の息子が立派になりそうなぐらいだ。

…あ、ヤベぇ。
なりそう、じゃなくて、…なっちまった…

そんなことに気づくはずもなく、銀次はとなりですぴーすぴー寝てやがる。

あぁ、可哀想な銀次。
俺の性欲対象になっているとも知らずに。

まるで他人事のように銀次を憐れむ。
俺の性欲対象にロックオンされちまったからには、最後まで付き合ってもらわねェと。

なーんて、また自分で銀次を可哀想な立場にさせてしまう。

だが、真面目に銀次を手放すつもりはない。
つか、手放せない。コイツがいなくなったら、…たぶん俺は狂いだす。

「…あーあ。」

どうやら一度デカくなった俺の息子は萎える気はないらしい。
自分の欲深さに溜息。

…こんなところで欲情したってどーしようもねーっつの。

「蛮ちゃん…?」

俺のでけぇ溜息に気付いたのか、銀次は身を起こした。

「!!!!!!!」
やべぇ…今銀次と会話したり触れ合ったりしたら…欲を抑えられる自信なんて100パーない。

「ぎ、銀次…目ぇ覚めたんか。」
「うん…なんか、蛮ちゃんの声が聞こえて…。
どうかした?」
なんつって、顔をぐいっと近付けてくる。

銀次の大きな瞳に、俺が映っている。
「……」
俺は知らないうちに、銀次の頬に手を伸ばしていた。
「蛮ちゃん?どったの?」
その甘い声で、俺を呼ぶな。
「…蛮、ちゃ…?」
どうやら俺の異変に気付いたのか、困ったような顔をしている。

…俺の見たかった表情。
でも、まだ足りない。俺が一番見たいのは…泣き顔。

「蛮ちゃん…?具合、悪いの?俺、できることなら何でもするから、何かあったら言って?」

何気ない銀次の一言。
たぶんこいつは、俺のことを真面目に心配して言ったんだと思う。
…だが、俺の理性を断ち切るには十分な言葉だった。

俺を煽ったこいつが悪い。
そう決めつけて、俺は銀次を押し倒した。

「っ!?いっ…蛮ちゃんっ!ここ車の中なんだから、急にそんなことしたら体ぶつけるでしょぉっ!?」
どうやら押し倒された反動で、頭を思いっきり打ったらしい銀次が声を上げた。
だけど、今の俺にはそんなことを聞いてやる余裕はない。

目の前にある、真っ赤な唇。
それに吸い込まれるように近づき…

俺はキスをした。

「っふ…!?んぅ…!!」
いきなりで驚いたのか、力強く胸を叩いてくる。
だがその抵抗も、舌を差しこむと段々と弱くなっていった。

「んんっ…ふ、はぁっ」
唇を離すと、苦しそうな顔でこちらを見てくる。

…またそういう顔で見る。
確信犯か?と思うほど、俺を煽る表情でいつも見つめるんだ、コイツは。

「蛮ちゃん…?あの、えっと…今、」
「キス。キスした。」
問われる前に返してやった。

「…なんで?」
まぁ、男にされたらまずそう思うだろう。
「…なんとなく」

まさか『好きだから』なんて言えるわけもない。
ましてや、『銀次の泣き顔が見たくてやりました。』なんて。

「なんと、なく…?」
俯き、小さな震えた声で銀次が言った。
「…あぁ」
それ以外、返せる言葉がない。

「………」
銀次が、黙った。
「…銀次?」

「……で、…よ」
「あ?」

「なんとなくでキスなんて、しないでよっ…!!!」
叫んだと同時に、銀次の瞳から涙が零れる。

「…」
あぁ、ダメだ。
もう本格的に抑えられない。

びりびりびりっ!!
狭い車内に、服の破れる音が響く。

「っ…!?蛮ちゃ、何す…」
そりゃいきなり自分の服を破られれば、普通は驚くだろう。
俺の胸をドンドンと叩いている銀次の両手首を抑える。

「やっ!離してっ!!」
暴れる銀次の首筋に、唇を寄せる。

「っぁ、やめ…」
そのまま数か所を強く吸う。
唇を離せば、赤く咲く花。
…俺のものだっていうシルシ。

唇を肌に触れるか触れないかぐらいのままで、下へと向かう。
そして、唇に触れる突起。そのまま口に含む。

「あぁっ…!いやっ、蛮ちゃん、やぁ…!」
口の中で転がすように弄んだり、軽く歯を立てたり。
そのたびにぴくんっ、ぴくんと身を震わせる銀次。

…可愛い…

銀次の手首を抑えていないほうの手で、空いている飾りをいじる。
指先の冷たさに驚いたのか、また可愛い声を漏らす。

「ひぁっ!や、冷たっ…」
またその声が、俺を興奮させる。

最後に強めにかりっ、と飾りを噛み、口を離した。
「あぁあっ!!ひぃ…ぁ…」

手をハーフパンツの中へと差し込み、下着越しに緩く勃ち上がっている銀次のモノをさする。
「ふぁ…んぅ、は、ひ…」
先程まで困惑だけだったような表情に、快感が混じってくる。
…だんだんと下着に先走り汁が染みてくる。

「何…感じちゃってんの?」
そんなん顔を見ればわかるけど、どうしても銀次の口から言わせたかった。

「感、じ…?オレ、よくわかんな…」
どうやら『感じる』ということがわかんねぇらしい…

「気持ちいいか、って聞いてんの」
銀次にわかるように説明した。
さすがの銀次もこれでわかったらしく、顔を真っ赤にしている。

「ぁ…と、ふ、ぁ…気持ち、ぃ…かな…?」
耳にまで紅を走らせて、そう呟いた。
「じゃぁ…もっと気持ちよくしてやるよ」
…我ながら、目が笑ってなかったと思う。

「え…ひゃんっ!!あんっ、やぁ!!」
先程との手の動きとは違い、射精を促すものに変える。
「ふぁっ、あ、いやぁっ!」
顔をぱたぱたと振り、快感に耐える。

あぁ…なんでこんなに可愛いんだよ!!
ここまでくると、変な欲まで生まれてくる…

 

⇒2

 

お題