兎と野獣

 

「ほーら銀次ィ…。コレ、欲しかったらコッチにおいでー?」

あぁもう。
なんでそんなに楽しそうなの?蛮ちゃん…。

「やだぁっ…!ひどぃ…ずるいよぉっ…!」

――だって。今のオレに、にんじんなんて…
卑怯じゃないかぁっ!!

 

兎と野獣

 


「銀ちゃーんvこれ、飲んでみて?美味しいわよーv」
きっかけは、というか。
原因は、マリーアさんなのです。
まぁ…大人しくそれを飲んじゃったオレも悪いんだけどさぁ。
まさか。…まさか。

兎になっちゃうなんて思わないでしょ!?

「んぁっ!イイんですかっ?いただきます!」
「オイっ、やめと…」

蛮ちゃんの静止の声が聞こえたときには、時すでに遅しってやつ?
見た目はいたって普通のコーヒーは、オレの喉を通り過ぎていた。

「っ…!やっ…、んぁあっ…」
なんていうか…その、なんか変な声がでちゃって。
マリーアさんの前でこんな声…!って思ってたら、目の前が真っ白になって…。

「銀…次…」
――そこで現れたのは…

「うさ…ぎ…か?マリーア…」

白く長いうさみみと、丸いしっぽが生えた銀次。
…マリーアの家にあるものは、基本的にキケン。
それを嫌というほど知っている蛮は、あまり驚かなかった。
…実際は、そんな美味しい状況に今すぐ銀次を襲いそうになったけれど。

「そうよーvあらぁ、やっぱり銀ちゃん可愛いわぁ、ほらぁ、蛮!」
くるくると回りながら、混乱している銀次の傍へと近づくマリーア。

「こぉーんなコトだって…」
ふふっ、と怪しげともとれる楽しそうな笑いを一つ。
…そして。

「ひゃんっ!」
「!?」
突然響いた銀次の…艶声。

「ふふ…耳と尻尾…すっごく敏感なのよv」
「!!!」
――な…なんて素敵なオプション…!

「よし、銀次。帰ろうか」
早く。一刻も早く。
二人で部屋にこもって、…色々とイタズラしたい…!

スバルへ押しこまれ、半ば無理矢理ベッドへと押し倒された銀次。
だが、蛮の今からしようとしていることが完璧にわかっている銀次は、蛮に近寄ろうとしなかった。

そこで蛮が持ってきたのが…にんじん。
そして、冒頭へ戻る。

「なにがズリぃんだよ?頭がいいっていえやコラ」
「頭よくないじゃんっ!エロ脳だけが活性化してるんじゃんかぁ!」
「活性してんだからいいだろー」

ほれほれとにんじんを目の前で揺らす蛮。

――あぅ…おいし…そぉ…
いやっ、だめだめ!今蛮ちゃんに捕まっちゃたらオレが食べられちゃうし!

ぶんぶんと頭を振る銀次を横目に、蛮はそっと銀次へ近寄る。

「ほら…意地張ってんなって…。痛いことはしねぇから、な?…こっちこいよ…」
――耳元で囁かれる重低音。
声だけでイっちゃいそうになるっ…。

…やっぱり蛮ちゃんはずるいのです。
蛮のすべてが銀次を誘ってくるのだ。

「…最初っから素直にしとけっての」
気付けば、蛮の腕の中にいた。
正面から、きつく…だけど優しく抱きすくめられる。
顔を胸におしつければ、一気に広がる彼の香り。

「蛮ちゃん…」
銀次の声が、始まりの合図。

「やぅっ…!蛮、ちゃ…!も、だめぇっ!」
――蛮の手の中で、蜜を溢れさせる銀次の自身。
色んなトコロを責められて…ソレは、もう弾ける寸前。
涙を零しながら喘ぐ銀次に追い打ちをかけるように…、ぐりぐりと先端を責める。

――ぴゅくっ…ドクっ…
「ひ…ぅあっ、あ、あ…!!」
哀れな程に背を仰け反らせながら達する銀次。
身体をびくびくとさせる銀次の、いつもならあるはずのない白く長い耳を軽く食む。

「あんっ…だめ、やめてぇ…」
たまに歯を立ててやれば、まるで達する時のように跳ねるカラダ。

そっと口を離すと、…蛮の唾液に濡れ、一部だけ毛が寝ている耳。
そこだけてらてらと光って、とてもいやらしい。

…先程から、銀次を愛撫していて蛮が気づいたこと。
ひとつは、耳も感じる、というコト。
そして、気持ちヨクなると耳が垂れるコト。
もう一つは…同じく、感じるとしっぽがふるふると震えるコト。
どうやら本人は気づいていないようだが…その三点は、快感に正直なようだ。

「…そうだ」
「はっ‥ひぁ…な、に…?」
そんな銀次の兎姿を見て、蛮は思いついた。
すると、銀次から一旦離れてさっき持っていたニンジンを拾い上げた。

「…?蛮、ちゃ…?」
「大丈夫だって…」
そう言うと、力が抜けて動けない銀次の両脚を抱え、胸につくくらいに折り曲げさせた。
何もかも見えるその格好に、銀次は顔を真っ赤にさせて…。

「やっ…、このかっこやだぁ…!」
「黙ってろ…大人しくしとけ」
そして、もう一度ニンジンを持ち直し…。

「っ…!?やぁああっ、やめっ…蛮ちゃん!」
…銀次の蜜口へと、ニンジンを宛がったのだ。
まだ慣らしてもいない後腔は、それを受け入れようとはしない。
「やだっ、やだよっ!はなっ…やだぁあ!」
…そんな、食べ物を入れるなんて…。

激しく抵抗する銀次。
動ける範囲で暴れて、どうにか蛮のしようとしていることから逃げようとする。

「コラ…暴れんな。…しょーがねーな…」
それでも抵抗をやめない銀次に、蛮は不敵な笑みを向ける。
する…っと自分のベルトを外すと、銀次の両腕を頭の上で縛ったのだ。

「う、うそっ…!」
「お前が暴れるからだろ」
「ちょっ…やめっ、」
蛮は全く聞く耳持たず。
宛がったニンジンで、ソコをほぐすように上下に動かしては、先の方を埋め込んだり。

 

 

→2

 

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